眼の症状から調べる 診療案内 まずはチェックを。

1 緑内障

  • 見えない場所がある
  • 見える範囲が狭くなる

眼球はある一定の圧を保って眼球の形状を保っています。その圧力のことを眼圧と呼びます。眼圧の正常値は10~20mmHgですが、眼圧が上昇すると(つまり眼球が硬くなると)視神経が障害されやすくなり、視野が狭くなる緑内障とういう病気になるリスクが高まります。日常生活では両眼で見ていますし、初期は視野障害があっても全く自覚しないことがほとんどです。自覚症状で気がつくのは、かなり視野が進行してしまってから、あるいは視力が悪化してからということも多いです。緑内障は、失った視野や視力は元に戻すことはできない怖い病気ですが、眼圧を下げることができれば、その進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。早期に緑内障を発見し治療できれば、失明に至る危険性はぐっと少なくなります。治療の目的は進行を止める、あるいは遅らせることであり、回復させるものではありません。治療は、点眼治療、レーザー治療、手術があります。緑内障にはいくつかのタイプがあり、それぞれに適した治療方針を決定していくことがとても重要です。

2 白内障

  • かすみ、眩しさ
  • 片目で見るとダブって見える

目は良くカメラに例えられますが、カメラのレンズに当たる部分が濁るのが白内障です。原因は様々ありますが、最も多いのが加齢によるものです。ごく初期の白内障は点眼で進行を遅らせることが出来る場合もありますが、濁った白内障を元に戻すことはできません。進行した白内障は手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的に行われます。超高齢化社会が進む現在、白内障は目の病気の中でも最もありふれたものの一つとなりました。しかしながら、手術は医療技術と手術に携わる医療関係者の努力によって年々進歩しており、安全な手術となったばかりでなく、以前にもまして早期の視力回復、社会復帰が可能となりました。目のかすみや視力が落ちたと感じる方は、お気軽にご相談ください。

3 飛蚊症

  • 黒い点や蚊のようなものが見える
  • 薄い雲のようなものが見える

飛蚊症(ひぶんしょう)は文字の通り、視界に蚊のようなものが飛んでるように見えることです。形は、ひも状のものやリング状のものなど様々で、いつもは気が付かなくても、白い壁や明るい空を見たときにはっきり現れることが多いと言われています。ほとんどの場合は、加齢などの生理的変化によるものですが、まれに網膜剥離などの重篤な疾患の前触れであることがあるので注意が必要です。

4 加齢黄斑変性症

  • 中心がゆがんで見える
  • 真ん中が見えない

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、50歳以上の人の約1%にみられます。比較的最近まで治療法がなかったのですが、最近いくつかの治療法が新たに開発されて、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになってきました。サプリメントで病気の予防をおこなったり、目の中(硝子体腔)に6週あるいは4週ごとに2~3回注射して、病気の活動性を抑えたりします。

5 眼精疲労

  • 目の痛み。目のかすみ
  • 眩しさ、充血
  • 肩こりや頭痛がする

眼精疲労とは、目を使う仕事を続けることにより目の症状だけでなく全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。原因の多くは、度の合わない眼鏡を使っていたり、老眼の初期などで無理な近業作業を行っているなどです。緑内障や白内障でも眼精疲労が出現することがあります。最近は、特にパソコンなどを使用する機会(VDT作業)が増えたため、これが原因の眼精疲労が増えています。その他、全身疾患に伴うもの、心因性のもの、環境によるものなど、眼精疲労をもたらす要因は非常に多岐にわたっています。治療は原因を特定し、それを排除することです。眼精疲労に特効薬はありませんが、ビタミン剤の配合された点眼薬が有効である場合があります。

6 結膜炎

  • 目が痒い、目が赤い
  • 目やにが出る、ゴロゴロする

アレルギー性結膜炎。ウイルス性結膜炎。アレルギー性結膜炎の症状は主に痒みです。元々アレルギー性鼻炎やアトピーなどを持っている方が起こりやすく、軽症の方は点眼治療で症状が和らぎます。重症になると、瞼の裏にブツブツの所見が現れゴロゴロするといった症状が出て、黒目(角膜)に傷をつけることもあります。当院では涙を測定しアレルギー性結膜炎があるかどうかを調べることができます。ウイルス性結膜炎はウイルスの感染によって引き起こされる結膜炎です。結膜が充血し、目やにが出たり、涙が自然に出て、ゴロゴロした目の痛みが出てきます。他人に感染させる力も強く、家族内感染や学校内の集団感染などの原因になります。ウイルス性結膜炎に対しては今のところ特効薬はありませんが、通常は炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使います。他人への感染させる恐れがある期間は、医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで、登園を禁止することになっています。社会人でも集団感染を防止する意味で、できるだけ仕事を休むのが望ましいと考えます。

7 ドライアイ

  • 目に不快感がある
  • 目がゴロゴロする

涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で緩和させます。目の表面に傷をつける状態が治らない場合は、涙の出口を一時的に塞ぐ治療(涙点プラグ)を行うこともあります。

8 弱視

  • 何かものにぶつかりやすい。転びやすい
  • 目の前の小さなものをつかみ損ないやすい

目の前にあるものは、角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜の中心窩(網膜の中で視力が一番いい部分)にピントが合った後に、その情報が視神経を通って脳に伝わります。弱視は、この視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があるときに生じます。生まれた時から3歳くらいまでの間に片方の目のまぶたが下がったままだったり、黒目の中心の部分が濁っていたり、片方の目の位置がずれていたり、きちんと網膜にピントが合わない場合に起こりやすいです。 弱視の治療は、少なくとも視力の発達が望める8歳くらいまでは眼鏡をいつもかけておくこと。良い方の目を隠して、悪い方の目でしっかり見ることなどがあります。

9 涙嚢炎

  • 片方だけ涙がしょっちゅう出る
  • 目やにが出る

涙は涙腺で作られて眼球表面を潤し、目頭にある涙点という小さな穴に吸い込まれます。吸い込まれた涙は細い管(鼻涙管)を通って鼻の奥へと流れます。涙嚢炎は、涙嚢の感染症で通常は鼻涙管の閉塞によって起こります。急性涙嚢炎の場合は、圧痛を伴い、治療は抗菌薬の内服や点滴治療を行う場合もあります。慢性涙嚢炎の場合は、痛みがないこともありますが、涙点からしばしば膿が出てきます。治療は閉塞部を開通させる手術を行います。

10 メガネ・コンタクト

  • メガネが合っていない
  • 視力の低下が気になる
  • 今の自分の眼の状況をきちんと知りたい

など、お気軽にご相談ください

※出展:日本眼科学会